鉛筆の「H」と「B」って何?実は鉛筆にも性格がある

雑記

鉛筆を使っていると、軸に「HB」「2B」「4B」「H」などと書いてある。

小学生の頃から見慣れている。

しかし、改めて聞かれると、

「……Hって何だっけ?」

となる人も多いのではないだろうか。

私も昔は、

「Bが大きいほど、なんとなく濃い」

くらいの認識だった。

しかし、鉛筆の世界を調べてみると、実はかなり分かりやすいルールでできている。

そして面白いのが、鉛筆の硬度によって、まるで性格が違う。

Hは「Hard」、Bは「Black」

まず結論。

HはHard(硬い)。

BはBlack(黒い)。

これだけ覚えておけば、とりあえず大丈夫。

さらに、

数字が大きくなるほど、その特徴が強くなる。

つまり、

2H → Hより硬い
4H → さらに硬い

一方で、

2B → Bより濃い
4B → さらに濃い

ということ。

ざっくり並べると、

9H → 4H → 2H → H → HB → F → B → 2B → 4B → 6B

となる。

左に行くほど硬くて薄い。

右に行くほど柔らかくて濃い。

鉛筆だけで、

「硬派」から「濃い派」まで揃っている。

4Hは、とにかく真面目

例えば4H。

かなり硬い。

線も薄い。

製図や細かい下書きなどに向いている。

性格に例えるなら、

「仕事は正確ですが、遊びは一切しません」

というタイプだ。

ノートに書いても、

「もっと濃く書いてよ」

と言いたくなるくらい線が薄い。

しかし4Hからすると、

「必要な情報は書いてあります」

という顔をしている。

真面目すぎる。

6Bは逆に自由すぎる

一方、6B。

こちらは柔らかい。

そして濃い。

かなり濃い。

デッサンなどで、強い陰影を表現するときに使われる。

性格で言えば、

「細かいことは気にしない。とりあえず黒くしよう」

というタイプ。

ちょっと力を入れただけで濃くなる。

何度も同じ場所をこすると、

「もう十分です」

というくらい黒くなる。

しかも芯が柔らかいので、削るときも減りが早い。

4Hが長く真面目に働いている横で、

6Bはものすごい勢いで仕事をして、ものすごい勢いで短くなっていく。

そしてHBという「無難な人」がいる

ではHBはどうなのか。

硬すぎない。

柔らかすぎない。

薄すぎない。

濃すぎない。

つまり、

「どっちでもいいですよ」

というポジションである。

学校でも使われる。

仕事でも使える。

ちょっとしたメモにも使える。

まさに万能。

会社に例えるなら、

「とりあえず困ったらこの人に頼んでおけば大丈夫」

という社員だ。

目立たない。

しかし、いなくなると困る。

HBとは、そういう存在なのかもしれない。

では「F」は何なのか

ここで突然、

F

という謎の存在が出てくる。

Hでもない。

Bでもない。

HBでもない。

「お前は何者なんだ」

となる。

Fは、一般にFirm(しっかりした)などに由来すると説明される。

硬さとしては、HとHBの間あたり。

つまり、

「私はHほど硬くありません。でもHBよりは少し硬いです」

という微妙な立ち位置。

鉛筆界の、

「あと一歩だけ細かく調整したい人向け」

である。

そもそも、なぜ硬さが違うのか

ここで鉛筆の中身の話になる。

鉛筆の芯は、主に黒鉛と粘土を混ぜて作られている。

ざっくり言えば、

黒鉛が多い → 柔らかく、濃い

粘土が多い → 硬く、薄い

となる。

つまり、

「もっと黒くしたい!」

なら黒鉛寄り。

「もっと硬くして細い線を引きたい!」

なら粘土寄り。

鉛筆の芯の中で、

黒鉛派と粘土派が日々せめぎ合っている。

そして、その配合によって、

4HやHB、2Bなどの個性が生まれる。

「2BってBの2倍濃いの?」

ここで一つ注意。

「2BだからBの2倍黒い」

という意味ではない。

「4Bだから2Bの2倍濃い」

という単純な数字ではない。

数字は、基本的にHやBの特徴の強さを表している。

だから、

B → 2B → 3B → 4B → 5B → 6B

と進むほど、一般的には柔らかく、濃い芯になる。

ただし、

「じゃあ6BはBの6倍黒いんですね!」

と言われると、

鉛筆メーカーも困る。

そんな単純な話ではない。

鉛筆にも適材適所がある

では、どの鉛筆を使えばいいのか。

用途によって変わる。

硬度特徴向いている用途
6H〜4H非常に硬く薄い精密な製図、細かい下書き
3H〜H硬めで薄い製図、下書き
HB・F中間普段の筆記、学校、仕事
B〜2B柔らかく濃い筆記、メモ、スケッチ
3B〜6B非常に柔らかく濃いデッサン、陰影、絵画

つまり、

「どれが一番優秀なの?」

という話ではない。

4Hに、

「なんで6Bみたいに濃く書けないの?」

と言っても仕方がない。

逆に6Bに、

「なんで4Hみたいに細かい線が書けないの?」

と言うのも酷である。

鉛筆にも向き不向きがある。

人間と同じだ。

学校で2Bが使われる理由

昔は学校でHBを使うイメージが強かった。

しかし最近では、2Bを指定する学校もある。

理由の一つは、

弱い力でも濃く書きやすいから。

特に低学年では、まだ筆圧が安定しない。

そんなとき、HBで一生懸命書くより、2Bのほうが少ない力で濃く書ける。

つまり2Bは、

「そんなに頑張らなくても、ちゃんと書けるよ」

と言ってくれる優しい鉛筆なのである。

一方、6Bまでいくと優しさを通り越して、

「もう黒ければいいでしょ」

という勢いになってくる。

デッサンでは鉛筆を使い分ける

絵を描く人は、1本だけで全部を描こうとはしない。

例えば、

H系 → 薄い下書き
HB〜B → 輪郭や中間の濃さ
2B〜4B → 影
5B〜6B → 濃い影やアクセント

というように使い分ける。

つまり、絵を描く人の筆箱には、

「真面目担当」「普通担当」「濃い担当」

が揃っている。

そして一番濃い6Bは、

「ここだけは絶対に黒くしたい」

という場所に呼ばれる。

普段は出番が少ないのに、最後の最後で急に重要になる。

なんとなく、仕事のできるベテラン社員っぽい。

ちなみに9Hまである

日本のJIS規格では、6Bから9Hまで17種類の硬度が規定されている。

つまり、

6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H

である。

ここまでくると、

「そんなに細かく分ける必要ある?」

と思ってしまう。

しかし、絵を描いたり、製図をしたりする人にとっては、この違いが重要になる。

普段HBしか使わない人間からすると、

「HBでいいじゃん」

となる。

でも、鉛筆を使い分ける世界では、

HBだけで生きていくのは、調味料を塩だけで乗り切るようなものなのかもしれない。

結局、HBが一番無難なのか

日常生活なら、HBや2Bが使いやすい。

学校の勉強なら、学校指定に従えばいい。

製図ならH系。

デッサンならB系。

つまり、

「一番いい鉛筆はどれ?」

ではなく、

「何に使う鉛筆なの?」

で決まる。

仕事で使うのに6Bを持ってきて、

「今日の会議の議事録です」

と渡したら、たぶん怒られる。

逆にデッサン大会に9Hだけ持っていったら、

「ずいぶんストイックですね」

と言われるかもしれない。

まとめ

鉛筆の「H」と「B」は、ただの謎のアルファベットではない。

H=Hard(硬い)

B=Black(黒い)

という意味がある。

そして数字が大きくなるほど、その特徴が強くなる。

  • H系 → 硬く、薄い
  • HB・F → 中間
  • B系 → 柔らかく、濃い
  • 数字が大きいほど、それぞれの特徴が強くなる

芯は主に黒鉛と粘土からできており、その配合によって硬さや濃さが変わる。

普段何気なく使っている鉛筆だが、実は一本一本にかなり個性がある。

4Hは真面目。

HBは無難。

2Bは優しい。

6Bは自由。

9Hはストイック。

そう考えると、次に鉛筆を使うとき、

「今日はHBでいいか」

ではなく、

「今日の俺には、どの鉛筆が合うかな」

と考えてしまうかもしれない。

まあ、普通に文字を書くならHBか2Bでだいたい何とかなる。

鉛筆選びまで人生みたいに悩む必要はない。

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